日本生産性本部(経営アカデミー) × 産学連携推進機構 共催企画
本講座の背景と問題意識
サーキュラーエコノミー(CE:循環経済)に取り組むのは「今!」
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2050年が注目されています。日本をはじめ多くの国が2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという目標を出しただけではありません。サステナブル社会をグローバルに構築するため、欧州を中心に「サーキュラーエコノミー(循環経済)」(以下、CE)政策が進められており、多くの国々が2050年前後を目標年次としているのです。
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では、なぜ2050年に向け、30年も前の「今」から取り組まなければならないのでしょうか。それは達成までのロードマップを考えてみると分かり易くなります。2050年を目標とするならば、2040年代半ばまでに、それらに寄与する新しいモノやサービスが次々に登場し、世界ではイノベーションが加速度的・連鎖的に起こるに違いありません。これらには革新的なビジネスが実装されているはずです。イノベーティブな新規技術の研究・開発をいつ始め、それらをモノやサービスへいつ実装していくのか等の検討が必須です。例えば、革新的技術は、特許期間20年を前提に考えればそのR&Dでの仕込みは「今!」、新事業企画やイノベーション・デザイン、そしてビジネスモデルの準備を行うのは「今!」、でなければなりません。
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つまり、人類が住む地球のサステナビリティを確保するCEへ貢献し、企業のサステナビリティを担う事業を検討することは、まさに「今」からの重要業務なのです!
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本講座は、このような問題意識に基づいて、サーキュラーエコノミーに対応するイノベーションやビジネスモデルのデザインをするための基本を習得していただくようにいたしました。
本講座の特徴
- 単なる事例の羅列ではなく、イノベーションやビジネスモデルの基礎を体系的に学べます。
- ビジネスモデルの基本概念群や基本モデル群を、理論的に、また事例や演習を通じて学べます。
- セッション等を通じて、他の参加者と交流し、気づきや発想の視点が得られます。
- 講師は、東京大学大学院でイノベーションやビジネスモデルを講ずる第一人者が担当します。
# なお、本講座では、主としてモノ(物質的資源)の循環を議論の対象とします。(エネルギー資源や情報資源もCEにとって重要な論点ですが、それらを対象にはしておりません。)
# サーキュラーエコノミーにかかわらず、イノベーションとビジネスモデルを学びたい方も、ご参加を歓迎します。
ご存じでしたか、ビジネスモデルの基本
本講座では、ビジネスモデルを基本から学び直します。その定義、背景、機能・構造・意味、種類等の基礎に続き、主要なビジネスモデル群を事例と共にご紹介します。それらの学習を通じて、サーキュラーエコノミー時代に向けたビジネスモデルのデザインを行う素地を育成します。
☆ビジネス ⇒ 顧客や社会への価値を提供し、それへの正当な対価を得ること
(単に利益を求めることではありません。また単に価値提供することだけでもありません、それではチャリティになってしまいます)
☆イノベーション ⇒ 新規価値を形成・普及・定着すること
(インベンション=発明・技術開発、インプルーブメント=改善・改良、ではありません)
☆ビジネスモデル ⇒ 価値の提供と対価の獲得の両立を図るための、商品形態×事業業態の仕組み・仕掛け・仕切りのこと
(成功ビジネスの事例集を眺めるだけでは表面的な理解にとどまってしまいます。ビジネスモデルは、どのような要素が相互に関係して形成されているのか、その原理・原則を知らないと適切なデザインはできません)
ご存じでしたか、基本的なビジネスモデルの概念群とモデル群
本講座では、ビジネスモデルの学習上、必須の概念群とモデル群に絞って、事例を通じて解説します。
- ビジネスモデル=商品形態×事業業態
- 商品形態論(モノ=製品か、コト=サービスか、それらの組み合わせか)
- 事業業態論(商品売りか、商品使わせか、商品使いか、それらの組み合わせか)
- パイプラインとプラットフォーム(パイプラインのプラットフォーム武装、プラットフォームのパイプライン武装)
- モノづくり・モノ売り、モノづくり・モノ使わせ、モノづくり・モノ使い
- モノづくり→モノつくり直し・モノつくり替え、
- モノづくり→モノほぐし・モノはずし・モノばらし・モノつぶし
- パイプラインのプラットフォーム武装、プラットフォームのパイプライン武装
- モノのサービス武装、サービスのモノ武装
- 古典モデル(消費品モデル、本体消耗品モデル、本体付属品モデル、本体メンテナンスモデル)
- 新古典モデル(インサイドモデル、アウトサイドモデル)
- 脱古典モデル(モノのサービス武装、サービスのモノ武装)
- コンテンツビジネス、ソフトウエアビジネス、サービスビジネス等のモデル群 等
本講座は、こんな方々におすすめ:本講座で得られること
- イノベーションやビジネスモデルとはどういうものか、何を学べばよいのか、よく分からないので、それらに関する基礎知識を学びたい。
- プラットフォームやシェアリング、サブスクリプションという言葉が流行っているが、その意味が今一つかめていない。それらが製造業ビジネスにとってどんな影響があるのか、考えてみたい。
- 製造業のサービス化とか、モノづくりからコトづくり、といった言葉を頻繁に聞くようになったが、どのようなパターンがあるのかを学びたい。
- 自業界のビジネスモデルは分かるが、他業界については疎いので、いろいろな産業のビジネスモデルを学んでヒントを得たい。
- 他業界の参加者とともに共通のビジネスモデルの定石を学び、将来的な協業の可能性を模索したい。
- サーキュラーエコノミーに向け、積極的に取り組むべきビジネス領域に気づくと共に、どのようなビジネスモデルが適切かを検討してみたい。
開催概要
【開講場所】 Zoom ※原則オンライン開催
【定員】 20名程度
【受講層】 原則として経営企画・イノベーションを担う部課長層
【受講料】
日本生産性本部賛助会員
または産学連携推進機構 IACIパートナー等 110万円(税込)
一般料金 121万円(税込)
【担当講師】
NPO法人 産学連携推進機構 理事長 妹尾堅一郎
同 主席研究員 伊澤久美
同 主任研究員 宮本聡治
産学連携推進機構特任研究員等がTAとして
学習セッションを支援します。
また、適宜、ゲスト講師を加える場合があります。
【注意事項】
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本講座は全回の出席が求められます(原則 欠席・代理参加不可)
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本講座では、各回に事前課題(研修事前の映像視聴・文献等の読解、課題レポートの作成・提出)が課せられます。
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受講生の構成や諸般の事情等により、内容・進め方、スケジュール等を変更する可能性があります。
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使用教材(書籍・参考資料)については、別途ご案内します。
(リスト配布予定、映像教材はVimeoにて配信、テキスト教材は順次事務局から発送いたします。)
開講日程と概要
全10回 25コマ(2時間/コマ) 2021年10月〜2022年2月
☆第1回目までの事前課題:本講座に関連する映像教材を数本受講いただく予定。
第1部:オリエンテーションと基礎概念の学習
ビジネスとは顧客・社会への価値の提供とそれへの対価を得ること、イノベーションとは新規価値の形成・普及・定着であること、ビジネスモデルとは、価値の提供と対価の獲得の両立を図るための、商品形態×事業業態による構成であること、等々を受講生全員で共有・確認する。また、受講生の自己紹介等を通じて互学互修の導入を図る。
第1回 10/06(水) 1330〜1730/1800
【オリエンテーション】
1限目:「ビジネス」の基礎、「イノベーション」の基礎、
技術・制度・社会文化の相互関係
2限目:自己紹介
※終了後、交流会@オンライン(任意参加)
第2回 10/23(土)1000〜1730/1800
【ビジネスモデルの基礎概念群①】
3限目:「ビジネスモデル」とは何か:価値の提供と対価の獲得:
モノとコト、商品形態×事業業態
4限目:N×1×N構造とオープン&クローズ戦略
5限目:パイプラインとプラットフォーム
第3回 11/04(木) 1330〜1730/1800 ←曜日注意
【ビジネスモデルの基礎概念群②】
6限目:サービス、サブスクリプション
7限目:シェアリング、他
第2部:基本的ビジネスモデル群の学習
ビジネスモデルの基本モデル群を学ぶ。また、ある事業のビジネスモデルを選択するときに、それを可能ならしめる知財マネジメントと標準マネジメントの基礎についても学ぶ。
第4回 11/20(土) 1000〜1730/1800
【ビジネスモデルの基本モデル群①】
8限目:本体・消耗品モデル、消耗品・本体モデル、
9限目:本体・付属品モデル
10限目:インサイドモデル、アウトサイドモデル
第5回 12/01(水) 1330〜1730/1800
【ビジネスモデルの基本モデル群②】
11限目 モノづくりとサービスの関係
12限目 モノ売りからサービス提供へ
第6回 12/11(土) 1000〜1730/1800
【ビジネスモデルの基本モデル群③】
13限目 本体メンテナンスモデルの進展①
モノとサービスのパッケージ化
14限目 本体メンテナンスモデルの進展② モノ使いによる商品転換
15限目 本体メンテナンスモデルの進展③ モノ使いモデル
第3部:サーキュラーエコノミーに向けてビジネスモデルを検討する
第1部・第2部で学んできたビジネスモデルの概念群、基本モデル群を基に、サーキュラーエコノミー全般に向けた論点を議論し、そのビジネスモデルのあり方を探る。
第7回 2022/01/08(土) 1000〜1730/1800
【“食”のサーキュラーエコノミー】
16限目 フードロス・フードウエイストと“食”のサーキュラービジネス
17限目 ”食”の容器・包装
18限目 代替食
第8回 2022/01/19(水) 1330〜1730/1800
【“衣(アパレル)”のサーキュラーエコノミー】
19限目 “衣”のリユース
20限目 “衣”のリサイクル
第9回 2022/02/02(水) 1330〜1730/1800
【素材と機材のサーキュラーエコノミー】
21限目 素材群
22限目 機材群
第10回 2022/02/19(土) 1000〜1730/1800
【脱・モノづくりビジネスと総括】
23限目 モノつくり直し・モノつくり替え
24限目 モノほぐし・モノはずし・モノばらし・モノつぶし
25限目 サーキュラーエコノミーに向けたビジネスモデル:
論点群の検討と総括
※講座打上げ交流会@未定(全員)
- 平日昼間・土曜終日開催の場合は原則2-3時間あたり休憩30分を含みます。また、土曜開催時には別途昼食休憩1時間程度を設定予定です。
- なお、終了時間は進捗状況により若干延長される場合がありますことをお含みおきください。
お申込み
日本生産性本部ホームページよりお申込みください。
https://www.jpc-net.jp/seminar/detail/005394.html
お問合せ・お見積りのご用命
公益財団法人日本生産性本部 経営アカデミー 担当:衛藤、梅村
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-2 新丸の内センタービル6階
電話:03-5221-8455 E-Mail:academy_info@jpc-net.jp