‟見て、測れて、手が打てる” 組織のマネジメント
デジタル化が進む中、データに基づくマネジメントにより確かな成果に結び付く可能性が広がっています。
本研修では、組織の目的・目標実現に向け成功要因を分析し、仮説を立て、施策実行から得られるデータを解析することで新たな施策へと展開していく、学習と成長のループで、より納得性を持って組織を変革する力を醸成します。
研修概要
データを用いて、実現したい顧客価値、組織目標に対し、問題発見から課題解決に至るまでの仮説構築、組織変革力を、講義、課題討議および自社課題を通して実践的に学びます。
01 DX推進前提条件としてのデータに基づくマネジメント
DX推進は、自社の将来ビジョンに向けてどのような戦略(打ち手)を選択するか、そのためにどのようなデータを収集、活用していくかが大前提となります。
全社経営視点でデータ活用の基本的な考え方を、自社のビジョン、戦略から考えていきます。
02 経営戦略と管理会計・経営指標(KPI)
経営戦略の実効性を高めるために、管理会計の考え方を採り入れます。
管理会計は、製造現場等部門単位の課題を、数値目標(KPI)を置いて改善していくに有用な考え方です。
03 問題解決のためのデータ分析
売上高等の構成要素を因数分解し、課題を明確にし、仮説を立て、具体策に落とし込みます。
重要なデータをモニタリングし、改善に結び付けるロジックツリーを考えます。
また、打ち手の有効性を判断するに因果推論の方法について基礎を学びます。
04 顧客価値(LTV)の最大化
具体的な施策を考える際に、「顧客価値」について理解を深めることは、顧客価値向上に何が効果的か、その判断基準を考えることでもあります。
その判断基準により付加価値生産性を高める施策が何かを考え、顧客提案力を高めることが可能となります。
05 サプライチェーンのデータ連携と最適化
顧客からのフィードバックを受けてサプライチェーン全体で顧客価値を最大化していくためのデータ連携のあり方、サプライチェーン最適化の考え方を学びます。
06 事業変革(DX)
データマネジメント力を付けることで、ビックデータ、AIを活用する様々なビジネスモデル構想へと結び付ける戦略的思考が可能となります。
07 データに基づく組織マネジメント
データに基づくマネジメントは、人と組織が学習し成長していくプロセスです。企業の取り組み事例からその成果と課題を学びます。
08 自社課題発表
学びを自社、自組織に反映する自社課題※に取り組んでいただきます。
自社課題は、参加者相互にコメントしながらバランスト・スコアカード(BSC)の考え方をベースに整理していきます。
※自社、自部門の課題について、仮説・KPIを設定し、施策実施から得られるデータを解析、フィードバックできるよう自社課題の構造化(見える化)にチャレンジしていただきます。
データに基づくマネジメント
組織の目的・目標を達成するために、データを収集・統合・管理し、課題を可視化するデータマネジメントが経営の重要な課題になっています。
本研修では、データマネジメントの技術に関わる内容は取り上げません。データに基づく組織マネジメントのあり方に主眼を置いています。
小売業の事例(売上向上のためのロジックツリー)
小売業では、お客様個別のIDと結びついたID-POSデータが使われています。売上目標(KGI)を達成するための要因(KSF)を分析し、仮説を立て、個別に割引クーポンを提示するなどの施策を行っています
お客様への提案が実購買にどの程度結びついているかデータを分析し、施策にフィードバックします。
顧客価値創出のためのデータ活用
企業は、顧客価値最大化のための活動(下図左)と、未来の顧客課題、社会課題を起点としたイノベーション(下図右)活動の両軸の活動により成長、発展していきます。
左:お客様に提供するモノ・サービスに対するフィードバックデータから、自社バリューチェーン全体の活動検証、及びサプライチェーンとのデータ連携により顧客価値最大化に向け活動しています。
右:未来の顧客課題、社会課題に仮説を立て、施策実行によるデータをモニタリングし、仮説を迅速に再検討するプロセスを繰り返すことで解決策の最適化を図っていきます。
研修スケジュール
AM オリエンテーション・イントロダクション
•参加者自己紹介
•アイスブレイク
•研修概要紹介
PM 講義Ⅰ DXの推進
1. コミュニケーションのRe-Design
2. DXを阻む4つの壁
3. DX戦略ストーリー:Why-Who-What-Howの無矛盾な設定
AM 自社課題への取り組みについて
1. バランスト・スコアカード(BSC)の切り口、視点
2.全社の目標から自部署の目標を考える
PM 講義Ⅱ 経営戦略と管理会計
1. 定性的な目標設定
2. 定量的な目標設定
3. 経営戦略と管理会計
AM 講義Ⅲ-1 データ分析(ロジックツリー)
1. 問題解決のためのデータ分析
2. 目的→仮説→実行→データモニタリング
3. 組織を動かすKGI、KSF、KPIの設定
PM 講義Ⅲ-2 データを正しく読む
1. 比較してわかるデータの価値
2. 相関関係と因果関係
3. データから予測する
AM 講義Ⅴ-1 顧客起点からの生産性改善
1. 製品の顧客価値とは
2. 問題・課題・コンセプト
3. 延期ー投機の原理
PM 講義Ⅴ-2 顧客視点のマーケティングと顧客生涯価値の向上
1. ネット時代の消費者行動
2. データを活かしたマーケティング
AM 講義Ⅳ-1 サプライチェーン課題可視化
1. サプライチェーンの課題可視化方法
2. 制約理論(TOC)
PM 講義Ⅳ-2 データ分析による最適化SCM
1. サプライチェーンの計画管理
2. サプライチェーンのネットワークデザイン
3. データから予測する
AM 講義Ⅵ 付加価値創出のビジネス革新
1. 事実・データから課題を把握する
2. 付加価値創出のためのビジネス革新、組織変革
PM 講義Ⅶ データに基づく組織マネジメント
1.データで議論できる組織文化の醸成
2.学習する組織とリーダーシップ
3.人的資本マネジメントとしてのKPI
AM 参加者課題
•参加者課題討議、発表
•コメント
PM 終講式、交流会
2024年度開催状況
2024年度指導講師(参考)
「DX戦略ストーリーの検討」
友岡 賢二
フジテック(株) 専務執行役員CDO/CIO
「経営戦略と会計管理」
加藤 篤士道
(公財)日本生産性本部 主席経営コンサルタント
「問題解決のためのデータ分析」
齋藤 健太
KUROCO(株) 代表取締役社長
「因果推論による効果検証」
日花 弘子
データ分析 テクニカルライター
「データに基づく生産性改善」
富野 貴弘
明治大学大学院 商学研究科 教授
「顧客視点のマーケティングと顧客価値向上」
阿部 誠
東京大学大学院 経済学研究科 教授
「サプライチェーン・マネジメント」
大森 峻一
早稲田大学大学院 システム工学研究科 准教授
「データ分析によるサプライチェーン最適化」
寺坂 和泰
(株)野村総合研究所 NRIシンガポール シニアプリンシパル
「データに基づくビジネスモデル革新」
小野塚 征志
(株)ローランド・ベルガー パートナー
参加者の声
データの前に顧客への提供価値や理念があり、それに沿った一貫した戦略になっているかが重要であること。それがうまくいっているかを評価するためのデータであるという認識が、一番印象に残り、今後も抑え続けていきたい。
OTさん(飲料メーカー:組織開発)
バランススコアカードで各階層別に要件と仮説を整理する事で、経営層が納得できる(納得して投資してくれそうな)ストーリーを構築できたので、大変意義がありました。
SMさん(ネット流通:戦略企画)
学習した自社課題の検討により、実際に使って深く考えることができ大満足です。
HYさん(半導体関連:経営企画)
顧客視点の重要性、自社の強みに目を向けること、KPIの本質、価値創出のあり方など、具体的な事例を含めて説明いただき、自社の課題解決に役立てたいと思っています。
YMさん(商社:営業)
単にデータの集め方や統計処理だけではなく、なぜそのストリーリーが必要なのか、着眼点が必要となるのかを講義や議論を通じて理解することができた。
MTさん(食品メーカー:人事)
経営理念に基づいて,今の取り組みの課題を財務や顧客価値の観点から考え,データに基いた具体施策に落とし込むことの重要性とプロセスを学習できた。
KHさん(総合電気:DX推進)
経営理念や戦略からどのように自部門の課題に落とし込んでいくのか、視点や考え方、プロセスを学ぶことができた。また、方法論に留まらず、自社課題に対して実践することで実運用可能な成果物も得られた。
KNさん(化学品メーカー:生産技術)
募集要項
日程 | 2025年7月8日(火)、7月22日(火)、8月5日(火)、8月19日(火)、9月2日(火)、9月16日(火)、9月30日(火) 全7回 |
時間 | 10:00~17:00 |
会場 | 経営アカデミー教室(東京駅・大手町駅直結) 東京都千代田区丸の内1-6-2 新丸の内センタービル6階 |
対象 |
中堅管理職(部長、課長、リーダー) 経営企画、営業企画、研究開発、生産管理、人事、経理等管理部門など ※Excelを使ったことがある方 |
定員 | 20名 |
受講料 |
440,000円/1名(日本生産性本部賛助会員、消費税込) 495,000円/1名(一般、消費税込) |
お問い合わせ
公益財団法人 日本生産性本部 経営アカデミー
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-6-2 新丸の内センタービル6階
TEL:03-5221-8455
mail:academy_info@jpc-net.jp