サステナビリティ時代に社会課題を事業で解決するリーダーの養成
■コース概要【2025年度】
|期間|2025年6月~9月
|日程|原則金曜日 10:00~16:30 ほか
合宿
|対象|中堅・若手リーダー(全職種)
|会場|経営アカデミー (一部オンライン講義あり)
|料金|賛助会員 73.7万円(税込) 一般 84.7万円(税込)
※合宿費別
|申込|お申し込みはこちら
|パンフレット|イノベーション・デザインコース(2025年度)パンフレット
|開催日程|2025年3月頃公開予定
■お知らせ
2024.09.10 各コース パンフレットはパンフレット一覧ページからダウンロードいただけます。
イノベーション・デザインコースのコンセプト:Concept
サステナビリティ時代に社会課題を事業で解決するリーダーの養成
現在、私たちは社会問題が日々増大していく複雑な環境に直面しています。 人間活動が地球の許容範囲を超えた結果として浮上してきた課題は、個々の企業や特定産業の責任だけではなく、社会全体で取り組むべきものです。
このような状況の中で、企業には「存在意義」を再考し、社会に対してどのような価値を提供するか、すなわち「善い目的」を追求する役割が求められています。
その役割を果たすためには、社会課題に対して大局的な視野を持ち、未来に実現したい社会の姿を目指して具体的な行動を起こせる人材が必要です。
そのために本コースでは、将来実現したい社会の姿に向かって、継続的に取り組む事業アイデアを提案できる人材を養成します。
目指す人材像:Program goal
本コース講師陣:Instructors
顧問
株式会社新貝経営研究所 代表取締役
日本たばこ産業株式会社 元代表取締役副社長
根深い社会課題(Deep Issues)に対処するために、本来あるべき姿と現状のギャップを考える心、地球規模のコミュニティや将来世代を想う心、そして、その痛みを感じる心を磨きましょう。それが高い成人発達度につながります。その心をもって、仲間を募って連帯し、一人ひとりが自分事として一人称で、つまり、オーナーシップ・マインドをもって、足元の課題に対処して、その根深い社会課題につなげていきましょう。自分の専門分野や科学・技術にとどまらず、人間理解を含む広い領域で強い好奇心を持ち、新しい出会いや組み合わせを追求することに貪欲でありましょう。
コーディネーター
小笠原 敦
国立大学法人 滋賀医科大学
バイオメディカル・イノベーションセンター
特任教授
東 信和
COMMONZ株式会社
代表取締役社長
水谷 世希
株式会社日立コンサルティング
イノベーション&ストラテジードメイン
イノベーション&ストラテジーディビジョン
テクニカルディレクター
中村 善貞
一般社団法人イノベーション
アーキテクト
代表理事
岩田 徹 | アイディアポイント 代表取締役社長 |
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各務 太郎 | 建築家、デザイナー |
喜多川 和典 | 日本生産性本部 エコ・マネジメントセンター所長 |
野邊 義博 | ドリームインキュベータ 執行役員 |
村田 智明 | ハーズ実験デザイン研究所 代表 |
山田 眞次郎 | プランテックス 取締役会長 |
※講師陣は2024年度実績です。
日程概要:Schedule summary
月 | テーマ | 講義 | チーム活動 |
---|---|---|---|
6 | ❶ 善い目的を持つ | 大企業の両利き経営 イノベーションの作法・発想法 |
社会課題への理解を深める |
第1回合宿 課題設定ワークショップ |
チーム編成 テーマ発表 |
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7 | ❷ヒト・コト・モノ関係性 Re-Design | メガトレンドの読み方 「0→1」のアイデア創出と実装 循環型経済社会 イノベーションの作法・発想法 |
課題設定とヒアリング調査 |
第2回合宿 チーム活動テーマの深掘り Weak Signal Intelligence |
中間発表 | ||
8 | ❸アイデアの事業化に向けて | AI による価値創造 ビジネスをプロデュースする 新規事業立ち上げ、スケールアップ構想 顧客目線でアイデアのバグ取り 社内コミュニケーション&説得のプレゼン |
メンタリングデー:メンターへのチーム別相談 最終発表会 |
9 |
※プログラムとスケジュールは変更される場合があります。
プログラム概要:Program outline
「 イノベーション・デザインコース」のプログラムは「講義」と「チーム活動」で構成されています。この2つを通して、未来の社会課題を起点にバックキャストして、今取り組めることを考えます。多様な業種の方々と議論し、新たな気づきを得ることで、社会課題の解決に向けたアイデアを創出し、事業構想を提案することがゴールです。
事業構想提案までの取り組み
Purpose / Mission / Value / Vision の把握
「存在意義、大事にしたい価値観を持たない事業はあり得ない」との想いでメンバー同士が想いをぶつけ合い、「創りたい社会、解決したい問題」を明らかにします。
提供価値の明確化
「創りたい社会、解決したい問題」を具体化していく過程で何度も壁にぶつかります。原点に立ち戻り、「この事業は何のためにやるのか、誰の何を解決するのか」を問い続けます。
関係性のデザイン・事業アイデアの構想
社会課題は長い時間軸でどのようなステップで課題に取組んでいくか最初に構想を立てる必要があります。
自社だけで出来る社会課題解決には限りがあります。
どのタイミングでどのステークホルダーと組むかがポイントです。
ドライビングフォース・KPI の分析
長期時間軸での事業構想においては、何がドライビングフォースとなるか特定していくことが成功の肝になります。
成功要因を仮定し、KPI を設定しモニタリングする仕組みが途中の事業判断の助けとなります。
本コースの特徴:Team activity
01 実践を意識した講義
以下の3つのステップで社会課題への認識を深め、ソリューションアイデアを構想し、継続的に取り組むための事業化・事業拡大を構想する構成になっています。実務家講師をお招きし、新規事業を検討する上ですぐに実践・行動変容へつなげられる講義となっています。
Step1:「善い目的を持つ」
➡ なぜそれをやりたいのか(一人称で語れるまで深掘りする)
Step2:「ヒト・コト・モノの関係性をRe-Design する(バイアス崩し)」
➡ イノベーションの発想力を鍛える
Step3:「社会課題ソリューションアイデアの事業化、事業拡大を構想する」
➡ 結果への拘りを醸成する
02 社会課題から事業を構想するチーム活動
講義と並行して、学んだアイデアの創出から事業化のプロセスや手法の実践に取り組みます。
4~5名の異業種混合チームに分かれ、関心のある社会課題から問いを設定し、仮説を立てます。その後、実際に事業として実現・持続できるよう調査を進め、活用する技術や収益化まで検討します。プロトタイプの作成などでアイデアを見える化し、事実やデータに基づいた説得力のある事業構想の提案します。チーム活動を通して、手法や構想した事業アイデアを実務に活かせるほか、真剣勝負で学び合った仲間と生涯のネットワークを築くことができます。
過去の取り組みテーマ
過去の取組み テーマ |
If 関心を持つ |
Why 問を立てる |
How 仮説を立てる |
What | ||
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事業アイデア | 技術 | 収益化構想 | ||||
ごみ山を無くせ 太陽光ゴミ処理FP(2019) |
スカベンジャーと呼ばれる人達がごみ山からプラスチックなどを集めそれを売って生活している | ごみ山に集まる子供たちは何故無くならないか | 途上国では焼却やリサイクル等の処理能力が少ない。他にも処分方法があるのでは | クリーンなエネルギーで大規模に高温焼却し金属精錬までする | 太陽光集光技術 ごみ溶融炉技術 |
金属精錬を行い、金属資源は先進国で販売。同時に現地に雇用創出 |
東京から始まるエネルギー革命(2019) | 日本のエネルギーをどうするか | 火力発電が批判される中、世界第4位の電力消費量を賄う再生可能エネルギーを増やせるか | 東京都の電力消費約900億kwh/ 年を賄うには 23区の1.8倍のメガソーラーが必要 | 省スペースで発電効率最大40倍の3D+熱太陽光発電を利用 | 発電効率20倍の3D太陽光発電 | 3D太陽光発電で再エネマンションを販売、電気代はゼロ円、再エネオフィスの建設 |
Cool Credit 価値観を変える環境活動の見える化(2019) | 人類は、地球温暖化による気候変動を食い止めることができるか | 太陽光パネルで電気代が安くなる、EV で燃費が良くなるといった意識では温暖化の進行は止められない | 実利を求める人間の本性と企業の環境活動を循環させられないか | 全ての消費行動を環境配慮の観点からスコアリングする | 環境にやさしい情報のランキングに客観性を持たせるデータマイニング | カーボンフットプリントデータ(CFPD)による客観評価と消費データを紐づけ価値に変換し排出権取引市場を創出 |
干ばつ地域の水問題を解決する「蓄水器」普及ビジネス(2022) | 気候変動に起因する長期干ばつによるBOPの水不足問題が深刻だ | エチオピアのソマリ州では子供たちが水汲み労働に駆り出され学校も休校状態だ | 遠方まで水汲みに行かなくてもよい、安価な方法で水を供給できないか | 低湿度下でも空中から水捕集が可能な完全自給型蓄水器を開発 | コンニャクの主成分から高吸水性ポリマーフィルムを活かす | エチオピアでの実施(大使館ヒアリング済み)をトライアルとして事業を拡大 |
農(No)タイム・土から食の未来を創る(2022) | 気候変動は地政学リスクを伴い食料自給率の低い日本の食卓を直撃する可能性がある | 日本では農業就労人口の減少、自給率の低下が続いている | 肥料原料および食料の値段が上がっている | 活性炭を用いることにより、窒素化合物生成微生物の活性を増加させ、肥料・水の吸収率を増加させる | 窒素化合物生成微生物×活性炭で試験済 | 農地診断、肥料提供、栽培管理のサブスク契約モデル及び炭素クレジット成功報酬型 |
菌類補完計画~すべての人に持続可能なタンパク源を~(2023) | 世界の食肉需要は増加の一途、2050年には現在の1.91倍に増加 | タンパク質クライシスを何とかしたい | 腸内細菌叢(腸内細菌)を改変することで体質を変えられる | 高齢者に親しみがあるサプリで腸内細菌を取り込み、あわせて検査サービスも実施 | 寄与菌種の特定、窒素固定能を確認 | プレフレイル(加齢で心身が虚弱化した状態)を初期ターゲットとし、フレイル・要介護者の増加を防ぐ |
03 学びのリフレクション
毎回の講義とチーム活動において理論と実践の往復の中で学んだ内容を「リフレクションノート」にまとめます。
研修を通して得られた気づきや学び、またそれをどう業務に活用するかをその都度記録します。
研修修了後に自己の振り返りを行うことで、研修の意義や効果を確実にします。
「リフレクションノート」は研修終了後、事務局よりご派遣担当者にフィードバックいたします。
本コースの取り組みが書籍に
『課題ドリブン・イノベーション ―「善い目的」を事業構想へ』
生産性出版、2022年発売
顧問・コーディネーターの想いや、派遣責任者へのインタビューなどを掲載しております。
参加者の声:Voice
- 地球環境という大きな視点での社会課題からバックキャストすること、テーマを設定することで、大きな視野や視点を得られたこと。また、ワークショップや実際に調査や足を運んでの情報収集等により、テーマの設定から解決策までの一連の流れを経験する事の重要さを感じる事ができ、とても有意義でした。
(化学) - 私自身が新規事業立ち上げに際して感じたハードルが、他社でも同様に発生している事を知るとともに、その乗り越え方を学ぶ事ができた。
(水産・食品) - 2030年に起こり得るタンパク質の供給危機、日本の農家の廃業など、自分の知らない社会問題についてを多く知ることができた。また、その問題を他人事で終わらせるのではなく、解決しなければならない当事者として取り組むことで、今までになかった危機意識や問題意識が自分の中に生まれたことが、これまでと変わった点であると感じた。
(その他製造) - 短期的な視点では、社内で企画を通すためのテクニックや交渉術を得ることができ、実践している。長期的な視点では、インテリジェンスを活用した世の中の動きの情報収集や打つべきアクションプランなど、判断・行動するための軸ができ、これに沿って行動ができている。
(電気機器) - 多様かつ実力のある講師陣から毎週講義を受けられたこと。また、講義で学んだ内容をグループ活動に持ち込んで復習・実践できるサイクルになっていた。
普段の本業にとらわれず、社会課題から発想したテーマについて徹底的に考え抜く経験ができた。
普段の本業にとらわれず、最先端の技術やスタートアップの動向について調べる機会が得られた。
会社の評価に(恐らく)関係しない状態で、思い切ってアイデア出しやファシリテーションメンバーとの議論に取り組めたこと。
一歩社外に出れば、おもしろい人やすごい人がたくさんいると発見できた。
(ゴム・ガラス・土石製品)
参加者データ(過去3年平均) 平均年齢40.0歳
最近の参加企業
水産・食品 | アサヒクオリティーアンドイノベーションズ、カルビー、日本たばこ産業、マルハニチロ、雪印メグミルク |
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建設・不動産 | 五洋建設、清水建設 |
繊維・パルプ・紙 | 東洋紡、日本製紙 |
化学 | タキロンシーアイ、ダイセル、DIC、富士フイルム、ファンケル、藤森工業、三井化学、横浜油脂工業、ライオン |
石油・石炭 | ENEOS |
ゴム・ガラス・土石製品 | テクノクオーツ、ブリヂストン |
機械 | 丸山製作所 |
電気・機械 | 日置電機 |
電気機器 | 日立製作所 |
精密機器 | ジーエルサイエンス |
その他製造 | アルケア、ブリヂストン |
運輸・通信 | ヤマト運輸 |
情報・通信 | 日立ソリューションズ・クリエイト |
小売・卸売・商業 | TS ネットワーク |
(50音順、企業名は参加当時のものも含む)
お申込み要領:Outline
お申込み手順
01 以下お申込みご案内WEBページより、お申込みください。
02 申込書受領後、確認のお電話を差し上げます。
参加費 2025年度実施金額
賛助会員 | 67万円(10%税込 73.7万円) |
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一般 | 77万円(10%税込 84.7万円) |
参加費に含まれないもの
国内合宿費(1回あたり6〜10万円程度)、通学・合宿等の交通費ほか個別に発生する費用
※上記参加費に含まれないその他費用につきまして、実際の金額は当年度コース開催時に確定いたします。
お問い合わせ
公益財団法人 日本生産性本部 経営アカデミー
〒100-0005東京都千代田区丸の内1-6-2 新丸の内センタービル6階
TEL:03-5221-8455
mail:academy_info@jpc-net.jp